- 日商簿記2級って本当に価値ある?
- 未経験で経理に転職する場合に評価される?
- わざわざ時間かけて勉強するメリットって本当にある?
「経理やるなら簿記2級は必要」
↑経理の仕事につきたい人にとってはよく聞く話ですよね。
ただ、実際に経理として働いてる人間からすると、
簿記2級って「あるに越したことはないけど、必須ではない」
というぐらいの感じです。

この記事では、日商簿記2級の転職市場における価値について解説します。
これから未経験で経理への転職を目指す人や、
会計や財務の仕事に興味のある方は参考にしてみてくださいね。
この記事を書いた人
上場企業の経理職として8年間勤務後、ワークライフバランスを求めて外資企業の経理に転職。
係長として経理の現場仕事/新人さん教育などをやってます。
この記事の目次
ぶっちゃけ価値ある?日商簿記2級の転職市場における価値

(日商簿記2級ってぶっちゃけ価値ある?)
経理の採用では「2級以上必須」の求人が多い。
↑これは事実です。
転職サイトで経理の求人情報を見ると、
日商簿記2級を必須条件にしている会社が非常に多いんですね。
(↓※例えばこんな感じ)
↑ただし、これっていわゆるタテマエ的な部分もあります。
現時点で簿記2級持ってなくても、
ダメ元で応募したら普通に書類選考に通ったりします。
例えば、性格が良くて自社のニーズにマッチしそうな人材が応募してきてくれたとして、
その人が簿記2級にまだ合格していなかったとしても、
それだけを理由に不採用にすることは考えにくいです。
(まともな人事採用担当者ならそんなもったいないことはしません)
簿記3級でOKとしている会社もたくさんありますし、
↓そもそも簿記は応募時点で不要にしている会社もあります。

簿記2級は早い人なら半年程度の勉強でも合格できる試験です。
採用時点で簿記2級を持っていなかったとしても、
入社してから合格してくれたらそれでOK
としている会社がほとんどだと思いますよ。
良くも悪くも簿記2級ってそのぐらいの価値の資格だと思っておきましょう。
簿記2級を持っていても、経理に向いてない人は普通にいる
また、経理の現場で働いている立場からみれば、
日商簿記2級を取得しているからといって、
必ずしも経理に向いているとは言い切れません。
確かに、大手企業の採用では最低限の知識を持っているかどうかを日商簿記の資格で測り、足切りに使われる傾向があります。
そのため、できれば簿記の資格は就職・転職活動の前に取得しておいたほうが、選択肢は広がるでしょう。
ただし、今現在日商簿記2級を持っていなくとも、ダメ元で応募して採用されることも大いにあり得ます。
会社として人を採用するときには、知識がまったく無い人も困りますが、それ以上に学ぶ気概がある人を雇いたいものです。
特に経理は毎日勉強し続けられる人のほうが適正がある仕事なので、今資格を持っていなくても、日商簿記2級を勉強中とアピールすれば受かる可能性は高くなります。
採用する側としても、入社してから勉強してもらえれば決して遅くはないと考えています。
管理職候補の転職ではほぼ必須
ただし管理職候補での転職ともなれば、日商簿記2級は取得しておいたほうが良いでしょう。
経理の管理職は試算表や決算書を読めるのは当たり前で、それを客観的に証明できるのが日商簿記2級という資格なのです。
管理職を目指すくらいの人であれば、日商簿記2級は容易に取得できる資格ですし、取得することによって今の会社でも評価が上がることもあります。
できれば、在職中に取得しておくとベターでしょう。
工業簿記の知識はメーカー経理以外は使わない
日商簿記2級では、商業簿記の他に工業簿記も学習します。
しかし、ぶっちゃけ工業簿記はサービス業や販売業を営む会社では全くといっていいほど使用しません。
メーカーの工場で経理として働くという場合のみ必要となりますが、そうでなければわざわざ勉強することもありません。
ただ、そのためか工業簿記を理解している人は経理の中でも少ないため、原価計算の知識があると転職市場での価値は上がります。
原価計算は会社が儲かるかどうかの考え方にもつながり、経営層へのアピールにもなるため、知識があれば転職でも有利になるでしょう。
簿記の勉強は「就活・転職活動と同時進行」で進めよう
経理への就職活動や転職活動においては、簿記を取得してから行うのではなく、同時に進めると良いでしょう。
新卒での就職は簿記を取得していなくとも、これから経験を積んで仕事をしながら取得してもらえれば良いと企業も考えています。
また経理は経験値が重要な仕事で、経理への転職市場では何よりも実務経験がある人が優先されます。
簿記の資格を取得しているかどうかは、正直なところあまり関係がないのです。
しかし同時に経理への就職・転職においては、簿記取得の意欲があることは評価の対象になります。
現在簿記を取得していなくとも、「今勉強中で、いつまでに取得予定です」ということをアピールすれば未経験でも採用される可能性は高くなります。
就職・転職ともに若いほうが有利になることは間違いありませんので、簿記を取得してからと考えるのではなく、同時進行すれば十分に間に合います。