経理転職の応募書類として欠かせないのが、志望動機です。
この志望動機を書くのが「得意!大好き!」という人はまずいないですよね…。
特に未経験者の場合には「いったい何を書けばいいんだろう」と途方に暮れてしまっている方も多いかもしれません。
未経験者が自分の熱意を志望動機に上手に表現するのには、いくつか知っておくべきポイントがあります。
ここでは未経験から経理職への転職活動を行う方(特に20代〜30代前半の男性)向けに、具体的な例文をあげながら志望動機の作り方についてアドバイスをさせていただきます。
この記事の目次
経理転職で成功する志望動機のポイント
経理職の志望動機で高評価を得るためには押さえておくべきポイントがあります。
それは、「自分のこれまでの経験が、こういうかたちで即戦力として役立ちますよ」ということをアピールすることです。
未経験職種とはいえ、表現方法を工夫すれば「この人は前職までの経験を経理の仕事でも生かしてくれるだろう」と相手に思ってもらうことは可能です。
例えば、営業職や店舗販売職を経験したことがある人が経理職へ転職しようとした場合は以下のような志望動機が考えられます。
「営業職→経理職」志望動機作成のポイント
単純に「毎日自分の売上実績を数字で管理していました」というだけではちょっと足りません。
相手は経理のプロですから「その程度なら誰でもやってるよね…」と思われてしまいます。
より具体的に、経理に関連する知識を自分なりに業務にどのように活かすよう努力してきたか?ということをアピールしなくてはなりません。
例えば上の場合なら「自分の売上実績から、実際にどれだけ会社に貢献できているのか、コストも含めて日々把握するよう心がけていました」と書くといった感じです。
「営業職とはいえ、利益管理も行っていたのか」と相手は評価をしてくれる可能性が高くなるでしょう。
次の項目で、より具体的な志望動機の例文を紹介しますので参考にしてみてください(そのまま使っていただいてもOKです)
【そのまま使ってOK】志望動機の例文1
「私の場合、数字で自分の仕事の達成状況を管理をするのをとても面白いと感じた事が経理職を志望するようになったきっかけです。
前職では営業職を担当しておりましたので、会社からあたえられていた目標に対して、自分がどのぐらいの実績を出せているか、具体的な達成率の数字にまで落とし込んで進捗管理をしていました。
最初のうちは売上だけを考えて営業活動をしていたのですが、担当するお客様によっては営業活動そのものに旅費や接待費という形でコストが発生することがあります。
そうなると、販売活動にどのぐらいのコストや経費がかかっているか?も意識しなくては会社にどの程度貢献できているのかを正しく把握できないと考えたのです。
営業活動にかかるコストを意識するようになると、単純な売上額だけではなく、かけているコストに見合った売上が上がっているか?この営業先よりも、むしろ別の営業先に重点的に取り組むべきではないか?という視点で営業活動を行えるようになりました。
このように、日頃からコスト管理や達成率管理のより良いやり方がないか?といろいろと調べているうちに経理の仕事に強い興味を持つようになりました。
試行錯誤の過程で、より体系的に知識を身につける必要を痛感したため、簿記資格の勉強も進めています。
御社に入社させていただけました際には、経理職として日常業務や決算業務を少しでも早く習熟できるよう努力するのに加え、将来的には経営管理にも貢献できる経理マンに成長していきたいと考えています。
採用ご検討のほど、何卒よろしくお願い申し上げます」
「販売職→経理職」志望動機作成のポイント
販売職や接客業の仕事は、お客さんと日々実際に接しながら働く仕事です。
この経験を生かして経理職の転職活動を行うなら、実際に経験した仕事で数値化された情報やデータをどれだけ実務に生かす経験をしてきたか?ということを志望動機に盛り込むと良いでしょう。
というのも数値化されたデータを現場の仕事をいかに生かすか?は実際に経理マンとして働いている人たちが常に課題として抱えている問題だからです。
面接をする側の人たちも日頃から課題として意識していることですから、あなたが志望動機でその点について言及して入れば「この人はわかっているな」という印象を持ってもらうことができるでしょう。
実際に作成する志望動機の例文としては、次のようなものが考えられるでしょう。
【そのまま使ってOK】志望動機の例文2
「私の場合、前職の販売職で店舗の運営を経験したことが、結果として経理職を志望するきっかけとなりました。
店舗が置かれている状況を正しく把握するためには、売上データの管理だけではなく、在庫の状況やアルバイトの給与の管理といった人件費に関するデータ、さらには広告宣伝のさまざまな施策がどの程度売上に直結しているか?といった情報が必要です。
前職での私のもっとも重要な役割は、店舗の利益率を高めることでしたから、これらのデータをいかに正確に把握するか?ということを常に意識していました。
店舗の運営はこれらの数値化したデータをもとに、目標を立てなくてはなりません。
しかし、数値化された目標に基づいて指示を出すことには、スタッフのみなさんから抵抗を受けることも少なくありません。
そのため、厳しい指示を出さなくてはならない局面ほど、日頃からコミュニケーションをしっかりと行うことを意識していました。
前職では、情報を数値化して把握し、目標へと落とし込むことの重要性と、人間は基本的には感情で動くものであるということの2つを失敗をかさねながら学びました。
御社に入社させていただけました際には、経理職として日常業務や決算業務を少しでも早く習熟できるよう努力するのに加え、将来的には経営管理にも貢献できる経理マンに成長していきたいと考えています。
採用ご検討のほど、何卒よろしくお願い申し上げます」
経理への正社員転職は未経験だと厳しい?
ここまで、経理職に未経験から転職することを考えた場合の志望動機の書き方について具体例をあげながら解説させていただきました。
しかし、実際の転職活動では、経理職は実務経験者が優遇される傾向が強いというのが現実です(男性の場合は特に未経験者は厳しくなります)
そのため、ある程度の規模の企業に経理職として採用されることを長期的な目標にしている人は注意が必要です。
というのも、最初から大手企業に「未経験ですが、雇ってください」と転職活動をしてもなかなか面接もしてもらえない状況になってしまうからです。
(男性で未経験から経理職に転職するのがうまくいかない人は、ここでつまづいている人がとても多いです)
段階的なステップアップを目指そう
それでは大手企業に経理として転職するのはあきらめないといけないのか…。というと、そんなことはありません。
重要なことは段階的にステップアップ(キャリアアップ)していく戦略を立てることです。
大手企業の経理では経験者が優遇されるのが事実なのであれば、あなたも少しでも早く「経験者」として転職活動ができる状態をつくりだせばいいのです。
経験者というと「決算や税務申告業務を何回も経験して、融資交渉の経験もあって…」とハードルの高いイメージを持っている人が多いかもしれません。
しかし、実際にはまったくそのようなことはありません。もっと簡単な経験でもいいのです。
具体的にいうと、半年程度の経理事務の経験があれば「経験者」として転職活動を進めることができます。
あなたが現在はまったくの経理未経験者だったとしても、半年後には経理実務経験者として転職活動を行うことは可能ということですね。
この「経理経験者」になるために実務経験を少しでも早く積むのが経理職としてステップアップしていくための最初の一歩になります。
経理事務への転職を目指す人が履歴書に書くべき長所って?
転職活動では、履歴書の内容として「自分の長所」を書く必要があります。
経理事務としての転職を目指して転職活動をしている人は、経理として採用されやすい長所の書き方ってどんなもの?と疑問に感じている人も多いかもしれません。
今回は、経理事務としての採用を目指す人が履歴書に書くべき長所のアピールポイントについて解説させていただきます。
経理事務の採用に有利になる「長所」ってどんなもの?
経理という仕事は、会社のお金を扱う仕事です。
そのため、仕事に取り組むときには何よりも正確性が求められます。
例えば1円単位であっても間違いがあると、すべての資料を作り直すというようなことが求められます。
ですから、性格的な面で長所を書くのであれば、几帳面で仕事はきっちりとこなしたいタイプであることをアピールするのが良いでしょう。
履歴書では、その性格を裏付けるような具体的なエピソードなどを入れるのがポイントです。
例えば「前職では手書きで管理されていた資料をエクセルを使って管理できるように業務改善を行った」などの仕事上での経験談などを入れると好印象につながりますよ。
ITスキルは長所としてアピールできるポイント
経理事務の仕事をするうえで持っておくと有利になるのは、ITのスキルです。
もちろん、プログラミングなどの高度なことはできなくても問題ありませんが、表計算ソフトのエクセルや、データベースソフトのアクセスといったソフトは経理事務では必要になるケースが多くあります。
経理事務の仕事は定型的な業務(いつも同じ手順でやる作業)がとても多いので、ITスキルを駆使して効率化を行えることは強みになります。
近年では経理の仕事はどんどんIT化(簡単に言うとパソコン作業化)が進んでいますから、基本的なITスキルは必須といえるでしょう。
エクセルのスキルを経理事務の長所としてアピールするなら
例えば、Excelのマクロで作業を自動化させることは最もわかりやすい改善例と言えます。
1時間かかっていた作業を正確に5分に短縮することは実際に可能です。
それが毎日の作業であれば、改善時間というのはかなりのものとなりますよね。
他にはアクセスを使用して、データを加工しやすくすることや、基幹システムから取りだすデータを自分で出力の設定をして、より使いやすいデータを取りやすくすることなどが考えられます。
どこの企業でもこういった改善するタネはいくつもあり、それができる人間というのは重宝されるものですよ。
ITスキルと経理の相性はとても良いといえます。
基本的な簿記資格(簿記2級など)を取得できたら、より専門的なITスキル関連の資格も視野に入れてみることはおすすめです。
経理事務の仕事でつちかわれる長所ってどんなところ?
経理事務の実務経験を積むことは、長期的なキャリアアップ、スキルアップという視点で考えても良い影響があるといえます。
私の場合は、経理事務の仕事を経験したことによって、綿密さや正確さ、ちょっとした間違いに気づくことができる能力が大幅に高まったと感じています。
毎日決算書などの会計数字を見る経理の仕事をしていると、何か数字におかしなことがあると違和感を感じ取ることができるようになるんです。
実際に経験を積まないとピンとこないかもしれませんが、この「会社の数字を見る目」が養われることは大きな武器になります。
というのも、決算書を読みこなせることは、他の仕事(営業職やマーケティングの仕事など)をしていくうえでも重要なスキルだからなんです。
例えば、営業職なら今期の自分の目標を「売上の数字」で把握するか、「粗利益の数字」で把握するかによって日ごろの営業活動の進め方には違いが出てくるでしょう。
単純に「売上だけを上げよう!」と考えていると、取引先それぞれにかかる営業コスト(経済的なものだけでなく、時間的なものも含みます)については鈍感になりがちです。
会社の目標は利益を上げるために行うものですから、売上と粗利益の違いをきちんと理解している営業マンはそうでない人より少しレベルが高いといえます。
まとめ
経理は正確性が求められる仕事ですから、履歴書で自分の長所について書く時には「几帳面な性格であること」と、「それを裏付けるような具体的な仕事上でのエピソード」を盛り込むようにするとよいでしょう。
経理事務の仕事を経験することでつちかわれる能力は、将来的に別の仕事をすることになったとしても生きてきます。
これから経理事務を目指して転職活動を始める!という方はいい選択をしています(特に若い方)
履歴書ではあなたの長所を上手にアピールして、ぜひ転職活動を成功させてくださいね。