「経理の仕事に興味があるけど、自分ももうすぐアラサー。今から未経験での転職はさすがに難しいだろうか…」
20代後半になると仕事にも慣れ、職場の中での地位も上がってきますね。
このタイミングで未経験の仕事に転職するのは勇気が必要かもしれません。
またいちから仕事を覚えなくてはいけませんし、簿記の勉強も必要になりますからね。
ただ、それでも経理の仕事はおすすめです。
現在、20代後半の方なら未経験でもまだまだ転職活動は間に合いますよ。
今回は、未経験だった私が20代後半で経理転職に成功できた際の体験談を書かせていただきます(現在も経理をやっており、一応は管理職としてやりがいを感じられています)
結論から言うと、未経験から経理への転職活動を成功させるには転職サイトを上手に使うのがポイントです。
この記事の目次
未経験なら簿記2級取得は最低条件
まず、未経験で経理転職を目指すなら、日商簿記2級の取得は最低条件と考えておきましょう。
ほとんどの経理求人では日商簿記2級が募集要件となっているため、これがないとそもそも書類選考に受からず、面接まで進めないからです(日商簿記3級では募集要件を満たさないことがほとんどですね)
もしあなたがまだ簿記2級を取得していないなら、転職活動の情報収集を始めながらでもいいので勉強を始めましょう。
日商簿記2級合格に必要な勉強時間は?
日商簿記2級の標準勉強時間は150~200時間といわれています。
1日に2時間程度勉強したとして、3ヶ月〜半年ぐらいは勉強期間としてみておきたいですね(私の場合は約半年で取得しました)
また、いきなり2級を目指すのではなく、「3級→2級」とステップアップしていくのがおすすめです。
3級の内容をしっかり理解できていれば、2級の学習もスムーズに進められます。
独学でも受かる?
簿記の勉強はできれば通学、場所や時間の制約があるようなら映像授業が受けられる通信教育をおすすめします。
独学で取得できるという意見もありますが、授業を受けたほうが理解しやすく、実務にも活かせる知識が身につきます。
通信教育などであれば受講料もそれほど高くないので、将来のことを考えた場合の必要な投資と割り切ってしまうのが良いと思いますよ。
(私はこちらの通信教育を活用しました↓
わかりやすいパンフレットを無料でもらえます)
経理は20代でも経験者が優遇される
たとえ20代でも、経理転職は経験者が優遇されるというのが実際のところです。
転職活動では、未経験者は不利な立場に置かれるのはやむを得ないところですから、なんらかのかたちで対策を考える必要があります。
未経験者が転職活動に成功するには?
おすすめなのは、少しでも早く「経理経験者」になってしまうことです。
経理の仕事で「経験者」になるのは、実はそれほど難しいことではないんです。
例えば、派遣の経理事務として半年間ぐらいの経験がある人なら、じゅうぶんに「経理経験者」として転職活動をすることができます。
また、会計事務所で経験を積むのもおすすめです。
会計事務所というのは税理士の事務所のことですね。
税理士事務所は税理士の資格がなくても、また、経理の未経験であっても正社員の求人がかなりたくさん出ています。
私は会計事務所で半年ぐらい経験を積んだ後、28歳のときに一般企業の経理に転職することができました。
未経験者で正社員採用されるケース
上では「経理経験者」として転職活動を成功させる具体的な方法を紹介させていただきました。
以下では未経験者として転職活動をする場合についても解説させていただきますね。
未経験者でうまく一般企業の経理部に採用される可能性もゼロではありません。
企業側に欠員が出たようなときにはタイミングが合えば未経験の人でも正社員で採用されるケースは少なからずあるでしょう。
しかし、その場合にも注意しておくべきことがあります(次の項目で説明します↓)
雑用ばかりやらされる?
未経験であるがゆえに、経理として入社したはずなのに、雑用ばかりやらされてしまう可能性に注意しておく必要があります。
特に20代前半の若い女性や、結婚育児からの復職組の女性に混じって就職してしまうと、そうなってしまうリスクが高いです。
せっかく経理の仕事に興味を持って未経験から挑戦することにしたのに、実際に担当するのは普通の事務職と同じ…ではなんのために転職したのかさっぱりわかりませんよね。
リスクを回避するには
このリスクを回避するには、やはり上で紹介した方法(経理事務の派遣か、会計事務所正社員で半年程度の経験を積むこと)を使って、経験者として経理転職することにこだわることをおすすめします。
会計事務所は男性も正社員で入りやすいですし、派遣は実際に仕事に就くまでの期間が早いのに加えて、仕事内容が経理に特化しているので経理の経験を積みやすいです。
私(男です)の場合は、上でも少し書きましたが会計事務所を選択しました。
在籍したのは約半年でしたが、毎日いろいろな取引先の会計入力や税務申告書作成の仕事に携わることができたので、その時の経験は今の経理としての仕事にも生きていると思います。
20代の方が未経験から経理転職を目指すのであれば、まず会計事務所や経理事務の派遣で経験を積むのがおすすめですよ。
ハローワークに男性の経理職の求人がない…どうすればいい?
ハローワークの求人は女性を求めているような案件ばかり。
やっぱり男で経理職は難しいのかな…。
このような悩みをお持ちの方は多いと思います。
私(男です)も経理の仕事を探していて、職業訓練なども受けました。
しかし、なかなか採用が決まらないで困っていた時期があったんです(現在は中小企業ではありますが経理の管理職に転職できました)
仕事を探していた時期は、どれも女性向けの求人ばかりで、「女性しか求められていない。経理に男性は無理なんだ…」と、ハローワークへ行くことでさえ苦痛になり、足がどんどん遠のいていったんです。
男性を求めているハローワークの求人を見つけるためにはいくつかポイントがありますので、ここでは男性を採用対象としている経理求人を見分けるためのポイントについて解説させていただきます。
男性と女性のどちらを求めているのか見極めるポイント
ハローワークの経理求人には、男性を求めているものと、女性を求めているものの2種類があります。
「それならちゃんとそう書いてくれればいいのに…」と思われる方も多いと思いますが、企業がハローワークに求人を出すためには「男女で差をつけてはいけない」というのが絶対条件になるため、ややこしい書き方になってしまうんですよね。
ハローワークに登録されている男性向けの経理求人には、具体的には以下のような特徴があります。
「繁忙期には月20時間以上の残業」
経理の仕事には繁忙期には必ずと言っていいほど残業があります。
繁忙期というのは具体的にいうと決算直前期ということですね。
女性の場合、家事や育児に時間がとられる場合が多いので、なかなか残業に対する「時間の融通が利かない」という可能性があります。
この点で、「繁忙期には月20時間以上の残業があります」という内容が求人にはっきりと記載されている場合は、男性の採用を積極的に考えている可能性が高いと考えられるのです。
企業側としては「残業があると書いておけば、女性の応募者は減るだろう」という本音がかいまみえます。
「家族手当、住宅手当あり」
「家族手当、住宅手当あり」という内容が記載されている場合にも、男性向け求人の可能性が高いです。
今の時代、「主夫」という方も珍しくはないですが、これはあくまでもレアな例で、男性が家族を養うために働いているのが一般的です。
「家族手当がつく」「住宅手当がある」ということは、家族を養うべき人材を求めているということです。
この記載がある場合には、企業側としては男性の応募を待っていることがほとんどです。
「交通費全額負担」
交通費が支給されるお仕事は山ほどありますが、ポイントは「全額負担」と上限が設けられていない点です(この場合は、男性向け求人である可能性が高いです)
逆に、「交通費一部負担」となっている場合には、事業所の近くに住んでいる人を募集している可能性が高いです。
能力や長期間の勤務意欲よりも、近場で働くことを希望するというのは、家事や育児のあいまに働くことを求めている女性向けの求人である可能性が高いですね。
この場合、金額によってはパートやアルバイトを連想させるような求人もあります。
交通費が全額出せるということは、企業側としては「遠方からの通勤でもどうぞきてください、フルタイムで仕事をしてくれる人が希望です」ということで、男性を求めている可能性が高いです。
経理転職で男性がアピールできるポイントは?
男性が経理職への転職を目指す場合、女性の転職希望者とうまく差別化できるアピールポイントがあれば、採用につながりやすくなります。
男性の方は、以下のようなポイントを押さえて志望動機や自己PRを作成してみると良いでしょう。
①繁忙期の残業が可能であることを伝える
経理の繁忙期というのは上でも少し説明させていただいたように決算直前期ですね。
繁忙期の業務にきちんと対応できることはアピールポイントになります。
前職がある方は、その時の具体的なエピソードなどを面接や応募書類で話すといいでしょう。
また、決算期以外にも、受注が多く入った時(営業職が忙しい時)に経理はやや忙しくなります。
私が小売りの企業で経理をしていたときには、ある商品が1年中で最も売れる月がありました(小売業は季節変動が大きいです)
会社の決算月とは関係なく、その時も売り上げの管理や、商品の仕入れ確保のための資金繰りなど、非常に忙しい時期でした。
この時期にはある程度の残業が発生していましたが、女性従業員の方は家事や育児との両立のために早く帰らないといけないということがあり、会社側も人員確保にかなり苦しんでいましたね。
この点で、時間的な融通(ゆうづう)が聞きやすい男性経理は採用ニーズがあるでしょう。
会社が一番力を入れたい重要な時には、自分も必死に働くことができるというということをアピールポイントとしてみると良いですね。
②家族の理解を得ていることを告げる
上の①の項目に関しては、家族の理解を得やすい環境であることをアピールするのも忘れないようにしましょう。
企業が男性の経理を募集する場合、基本的に長期間(10年以上の単位)にわたって働いてくれる人材を求めています。
経理という仕事は会社の機密に関する情報を扱う部署ですから、できる限り長期目線で従業員を育てていきたいと考えるのが自然だからです。
この点で、繁忙期の過ごし方などについて家族に反対されていたのでは、会社としても採用に躊躇(ちゅうちょ)することになりがちです。
それではせっかく採用した会社側も困りますから、「経理の仕事には繁忙期に残業がある程度発生するのは理解している。この点は家族からの理解も得ている」ということをアピールすると良いです。
③今までの経験をロジカルに話す
経理という仕事は論理的な思考力が問われる仕事です。
数学が得意じゃないとダメ、ということはありませんが、数字に基づいてロジカルな思考ができるかどうかは仕事のパフォーマンスに大きく影響すると言えるでしょう。
あなたがこれまでに経理の経験がなかったとしても(あるとなお良いですが)、前職ではこういうことを気をつけながら仕事をしていました。
その結果としてこういう結果をえることができ、さらにこういう形で改善していきました、ということをロジカルに話したり書いたりすることを意識してみましょう。
その際、前職で毎日の日常業務で行っていたことと、年間を通しての仕事とを分けて考えると、相手にも理解しやすく伝えることができますよ。