- 大企業の経理は仕事がつまらないって本当?
- これから経理として働くならおすすめは中小企業と大手企業のどっち?
- 年収や福利厚生を考えるとやっぱり大手を狙うべき?それとも仕事のやりがいで選ぶべき?

(大企業の経理はつまらない?中小企業経理と仕事内容を比較)
経理という仕事は、勤める会社の規模によって仕事内容がかなり違います。
特に、大企業では経理の仕事は細分化されていて、
「組織の歯車として働く」というイメージが強い方もいらっしゃるかもしれませんね。
この記事を書いている私は、
日系大手メーカーの経理部門で働いた後、
現在は外資系のメーカー(中小企業)で経理として現役で働いています。
大手・中小両方の経理として働いた経験がありますので、
それぞれの職場のメリットデメリットがわかります。

実際には、中小企業と大手企業の経理それぞれに
良いところ・悪いところがあるというのが実感ですね。
ただ、どっちをすすめるか?といわれると、
私は大手企業の経理をすすめると思います
この記事では、大手企業の経理として働く場合の仕事内容や、
仕事をしていてつまらないと感じる部分・
逆にやりがいを感じる部分などについて具体的に書いていきます。
これから経理として働くことを目指している方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。
この記事の目次
大企業の経理はつまらない?よくある不満理由3つ
大企業の経理が「つまらない」といわれる理由として、
↓以下の3つがあると思います。
- 業務が細かく分かれていて全体像が見えにくい
- 仕事のルールががっちり決まっていて、自分で工夫する部分が少ない
- よその部署や外部との交流が少ない
それぞれの内容について、順番に解説してきますね。

1.業務が細かく分かれていて全体像が見えにくい
大企業の経理がつまらない理由として一番よく聞くのが、
「業務が細かくわかれていて全体が見えないからつまらない」というものです。
仕事のうちほんの一部にししか関われないというのは面白くないですよね。
特に新人のうちは、
「自分がやってる仕事ってなんの意味があるんだろう…?」と疑問を感じながら働くことになると思います。
例えば、私が以前勤めていたメーカー(外食やコンビニ向けに、パスタなどを作っている会社で、従業員約8,000名程度です)では、
決算業務だけでも、以下のような感じで仕事の役割分担が決まっていました。
- 税金計算
- 賞与関連
- 棚卸資産
- 固定資産
- 退職給付
- 資金関連
こう見るだけで非常に細かくわかれていますよね。
別の人がやっている仕事は基本的に最初から最後までノータッチです。
よく言えばチームプレイで仕事が進んでいくということなんですが、
人によっては「全体像が見えなくてつまらない」と感じる人もいるかもしれません。
2.仕事のルールががっちり決まっていて、自分で工夫する部分が少ない
大企業になればなるほど、仕事をやっていく上でのルールがきっちりと決まっているものです。
(必然的に、ひぼの業務は変化の少ないルーティーンワークになりがちです)
大企業というのは、もし人が入れ替わったとしても組織として問題なく仕事が進むようになっています。
なので、ルールを変えることはかなりエネルギーがいります。
中には「こんなルールあっても今はなんの意味もないだろ…」と思うようなこともありますね。
この点、中小企業ではビジネスの成長に合わせて社内のルールを作っていくスピード感があります。
ゼロからルールやチームを作っていく!ということにやりがいを見出すタイプの人は、
大企業経理の仕事でつまらないと感じてしまう部分はあるでしょうね。
3.よその部署や外部との交流が少ない
大企業はなにせ人数が多いですから、社内の部署が細かくわかれています。
他の部署や外部の人たちとやりとりをする機会はそれほど多くないでしょう。
(もちろんゼロではないのですが)
この点、中小企業であれば、他の部署との距離感も近いですね。
気軽に仕事の話ができますし、経理の仕事が別の業務とどう関わり合っているのか?(つまり自分の仕事がどう役に立っているのか?)を実感できる場面も多いです。
他部署の人や、外部の人たちといろんなディスカッションしながら仕事を進めていきたいタイプの人は、
大企業の経理は少し物足りないかもしれません。
大企業の経理だからこそのやりがいやメリットは?
上では大企業経理で「つまらない」と感じる部分について書いてきました。
↓その一方で、大企業の経理として働くことには以下のようなメリットもあります。
- スケールの大きな仕事ができる
- レベルの高い経理知識を身につけられる
- 給料や福利厚生が圧倒的に良い
こちらも順番に見ていきましょう。
1.スケールの大きな仕事ができる
大企業の魅力の一つは、やはりビジネスの規模や動かすお金が大きいことがあります。
私が以前携わった案件でも、
数十億円程度の国内・海外での工場の設立や、500億円程度の海外企業の買収などに携わることができました。
大企業なので、投資案件の数自体も多いです(携われるチャンスが多い)
その上、様々な会計業務に携わることができるため、非常によい経験ができます。
例えば、以下のような経理業務は、
↓中小企業で働いている経理ではなかなか関わることができないものでしょう(ほんの一例です)
- 工場の設立
投資計画が現実的か?税務上のリスクはないか?のチェックなど - 企業の買収
投資銀行等とともに、買収価格の算定や、会計・税務リスクの洗い出しなど
超大手企業であれば、買収額が1兆円を超えるような案件にも携われる可能性があります。
こうした業務の中で得られる経験というのは、中小企業ではまず得られない経験です。
また、大手企業の場合、海外に子会社や取引先を持っていることも多いでしょう。
英語にアレルギーがないなら、国際会計基準や英文会計を学んでみるのも良いでしょう。
グローバルな視点で経理の仕事をすることができます。
2.レベルの高い経理知識を身につけられる
経理業務には、大企業でしか得られない経理業務というものがあります。
それは、連結決算・開示、IR(インベスターズ・リレーション)・税務などです。
そもそも子会社がなければ、連結決算を行う必要はないですし、
上場していなければ、有価証券報告書の開示は必要ありません。
また、投資家に対しての説明等も必要ないです。
こういった特殊な経験を持っている経理担当者は数が多くないため、転職市場でも非常に重宝されます。
(つまり、年収が高くなる)
また、大企業で業務をしていると、ルールが整備された中で業務を経験しているため、経理の基本が身に付きます。
そのため、採用する企業側としても安心して採用することができます。
3.給料や福利厚生が圧倒的に良い
大企業のもう一つの魅力として、
給料や福利厚生が非常にいいことがあげられます。
これは中小企業と比較すると圧倒的なものがありますね。
先行きの見えない世の中で、安定した給料や充実した福利厚生は魅力的です。
私の経験した大手企業経理の場合、おおむね以下のような条件です(20代のヒラスタッフでも年収600万円程度は普通に狙えます)
- 【賞与】
年2回(月収×5~6カ月程度) - 【福利厚生】
各種社会保険
住宅家賃補助
退職金
財形貯蓄制度
在宅勤務制度
介護・育児休暇制度など - 【育成支援】
資格取得補助制度
各種研修制度
従業員を長く雇用することを前提としているので、
生活に安心感が得られると思います。
中小企業の経理の場合、なかなかこういう環境では働くことは難しいです。
長く安定した環境で経理をしたい方は、大企業の経理は非常に魅力的だと言えます。