- 経理として働いているけど、自分ってもしかしてスキル不足?
- 転職先で「実務経験者なのにこんなこともできないの?」と言われないか心配…。
- 経理の実務経験者として認めてもらうにはどういうスキルが必要?

(あなたは経理としてスキル不足?経験者転職で求められる実務知識とは?)
経理としてひとつの企業で働いていると、
「自分のスキルってどの程度のものなのか?」が気になることってありますよね。
特に、転職を検討する場合には、
転職先の企業でこれまでのスキルが通用するかどうか、とても不安に感じると思います。
この記事では、経理の実務経験者に求められる実務スキルの具体的な内容について解説いたします。
結論から先にいうと、最初から経理部の管理職として入社するのでもない限り、
経理の実務経験者として転職するハードルはそれほど高くありません。
これから経理として転職することを検討している方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。
この記事の目次
「経理経験者」として転職するために必要な実務スキルとは?
経理の求人に「実務経験者」として応募するためには、
↓以下のような実務スキルが必須とされることが多いです。
- 決算業務の経験
- 会計ソフト・エクセルの使用経験
- 簿記二級程度の知識(資格取得は必須ではない)
- その他プラスアルファの経理スキル
それぞれの実務スキルの具体的な内容について、順番に解説いたします。
1.決算業務の経験
経理経験者として転職するために必要なスキルの一つとして、決算業務の経験が挙げられます。
決算は経理なら毎年必ず経験する業務なので、
経理担当者としてどの程度の経験があるか?をチェックする基準となることが多いです。
もちろん、ひとことで決算業務といっても、その具体的な内容はさまざまでしょう。
自分が担当する範囲の年次締め作業だけを経験しているのか、
あるいは決算書や法人税申告書の作成まで経験しているのか?では大きな違いがあります。
転職面接などでは、どのぐらいの規模の企業に所属していて、どういう決算作業を経験したのか?を具体的にアピールするようにしましょう。
(おそらく面接官も経理の実務担当者なので、かなり専門的な内容でもきちんと理解してくれるはずです)
経理の実務経験者として転職するなら、
自分の担当業務(経理部ないでの売上担当や仕入担当など)について、経理課長などの指示を受けながら決算仕訳の入力などをやったことがあるなら、
十分に実務経験者として必要なスキルを満たしているといえます。
2.会計ソフト・エクセルの使用経験
経理の仕事は、PCでの作業がとても多いです。
エクセルは、顧客などの情報、金額のまとめなどの表作成でよく使います。
SUMやAVERAGEなどの簡単な関数や、計算式の使い方を分かっていることは、経理の実際の業務で役立ちます。
また、会計ソフトの使用経験があると、経理への転職ではとても有利です。
ソフトの種類には、弥生会計ソフト、勘定奉行など様々な種類がありますが、就業先で使うソフトと同じものの操作経験があると一番良いといえます。
弥生会計ソフトは、国内の企業でもよく浸透していて、中小企業から大企業まで幅広く使われています。
2017年の国内シェアも3位となっており、経理業界ではメジャーなので使用経験があるととても有利なソフトです。
勘定奉行もまた、利用数の多いソフトで使いやすいと評判です。
3.簿記二級程度の知識(資格取得は必須ではない)
経理の実務経験者として転職する場合、求人では「簿記二級程度の知識」という書かれ方で必須要件となっていることが多いです。
もっとも、これは必ずしも「検定試験に合格していなければ応募できない」という意味ではありません。
仕事をしていく上で必要なスキルと経験があれば、
簿記検定に合格しているかどうかは?あまり重要ではないです。
- 簿記1級を持っているけど、実務スキルが少ない人
- 簿記3級も合格していないけど、実務経験が豊富な人
↑例えばこういう2人の人が求人に応募したとして、
採用されるのはおそらく後者になるでしょう。
経理は何よりも実務経験が重視される「専門職」であることを理解しておきましょう。
4.その他プラスアルファの経理スキル
「決算経験・PCスキル・簿記知識」の3つは経理の必須スキルと言えますが、
これにプラスしてアピール材料になるスキルもあります。
↓具体的には以下のような実務知識があれば、経理の実務経験者として転職する際の自己PRに使えます。
- 社会保険手続きの知識(健康保険や厚生年金・雇用保険や労災保険)
- 給与計算や年末調整の知識
- 法人税や消費税の計算に関する知識
- 税務調査への立ち合い経験
- 資金繰り管理についての経験
- 金融機関との融資交渉の経験
- 予算や経営計画の立案に関連する経験
特に、税金計算については知識として不十分な経理担当者が多いです(顧問税理士に丸投げ…という企業が多いためです)
中小企業などでは特に、経理と総務関連を兼ねて担当する場合もあります。
総務では、社会保険の加入や脱退、月々の給与計算、毎月支払う税金の支払いや管理などを行います。
経理兼総務のポジションとして転職するのであれば、このようなスキルはとても役立ちます。
また、経理業務は銀行とのやり取りもあります。
日々の業務であれば、支払いの手続きや振り込みデータ管理などの、
事務作業系のものが多いですが、銀行担当者と直接話すような業務もあります。
融資を受ける交渉をすることもあるので、経験があると有利になります。
それから、経理の部署には、数年ごとに税務署による税務調査が入り、経理書類や帳票類を確認して、税金が正しく納められているかのチェックがあります。
税務調査対応では、税金のルールや指摘された内容などについて受け答えができることが必要です。
この経験があると経理事務の採用で有利になるといえます。
実際に募集されている「経理実務経験者向けの求人」を見てみよう
上のような知識を理解した上で、
実際に募集されている経理実務経験者向けの求人をチェックしてみましょう。
1.中小企業経理の即戦力スタッフ求人
↑こちらは老舗企業での経理担当者の求人です。
仕事内容としては、各部署の日々の入出金業務・集計から、月次決算、年次決算まで担当します。
なので、必須条件が決算経験者となっています。
2.上場企業の経理管理職候補求人
東証一部上場企業での経理管理職候補の求人です。
現金出納や仕訳から、月次決算、四半期・年次・連結決算、税務申告書作成まで、経理業務を幅広く担当するお仕事です。
必須条件は、四半期決算取りまとめ、年次決算取りまとめ、年次税務申告経験者となっています。
3.IPO(株式公開)準備企業の経理管理職求人
東証一部上場にて経理マネージャークラスの募集です。
月次、四半期、年次決算業務、税務申告書業務、開示資料作成、税理士法人、監査法人対応などが担当業務です。
求める経験・スキルは、公認会計士、税理士資格をお持ちの方または、年次決算と税務申告書作成ができる方となっています。
まとめ
このように、経理業務では、決算業務経験があることを条件として求める企業が多くあります。
企業規模によって違いもあります。
上場企業など、比較的規模の大きい企業では、年次決算に加えて、税務申告書関連、連結決算、監査対応なども必要経験に含まれることが多いです。
中小企業などであれば、経験者採用でも、年次決算の経験があれば対応できる場合が多いです。