結論からいうと、可能性はあります。
ただし、いきなり正社員での経理転職を目指すと失敗する確率が高くなります。
おすすめのルートとしては、
- ①派遣の経理事務をお金を稼ぎながら3〜6ヶ月ほど実務経験を積む
- ②経理の実務経験者として転職活動し、正社員入社(幹部候補)を目指す
この2段階のステップを踏むことです(これで転職の成功確率はかなり高くなります)
30代男性が未経験で経理転職するのは、20代に比べると厳しくなるのは事実です。
企業側は30代男性にはそろそろ管理職としての活躍を求める頃ですし、未経験から育てるなら若くて人件費を抑えられる人材のほうがよいのが本音です。
他に秀でた能力があれば別ですが、同じ未経験ならより将来性のある20代男性を採用する可能性が高いです。
それでも、上のやり方(①派遣の経理事務を経験してから、②経理経験者として転職活動する)であれば、最終的に幹部候補の経理職になれる可能性は十分にあります。
今回は、未経験の30代男性がこの方法で経理転職を成功させるための方法について具体的に解説させていただきます。
この記事の目次
【まずは現状把握から】30代未経験の男性がいきなり企業経理に転職するのが難しい理由
30代男性の転職活動では、自分のスペックや状況を、企業側がどういう風にみているのかを正確に知ることから始めるのが成功の秘訣と言えます。
経理転職の場合、企業は基本的に実務経験者を優遇する傾向にあります。
経理未経験者を一から育てるのは大変ですし、特に男性の場合は将来の管理職候補として採用されることがほとんどだからですね。
経理の管理職として採用されるのはこの2種類の人のみ
会計入力だけであれば、わざわざ男性の正社員を採用する必要はなく、派遣やパート社員で十分です。
それに、経理の管理職には求められる経験や知識が幅広いです。
そのため、企業側が経理管理職候補の採用活動を行う場合には、
- ①経験者を採用する
- ②比較的若い人を長期で育成する
の2つしかありません(30代男性のあなたは、もちろん前者①の枠を狙ってください)
未経験で採用するなら、少しでも若い社員のほうが人件費も抑えられますし、長期間在籍して活躍してくれる可能性も高くなります。
私が内定を出していたのはこんな人たち
同じ未経験なら30代よりも20代が採用されやすい理由はここにあります。
私が在籍していた企業で経理人材を募集したときも、少し経験のある30代男性と簿記資格を持つ未経験の20代男性のどちらを採用するかで迷ったとき、最終的には20代男性に内定を出しました。
同じ30代でも、30代前半であればまだ保有資格や人柄、能力によって可能性はありますが、30代後半になるとかなり厳しくなるのが現状です。
【現実的な転職プラン】経理事務派遣でお金を稼ぎながら実務経験を積もう
では、30代男性が未経験の経理に転職するのは無理なのでしょうか。
結論から言うとまったくそんなことはありません。やり方次第で十分可能性はあります。
具体的には、上でも解説させていただいた通り、派遣の経理事務で3ヶ月〜6ヶ月ほど経理の実務経験を積み、それから経理経験者として転職活動を行うことです。
経理事務派遣で実務経験を積むメリット
経理事務で実務経験を積むメリットとしては、何と言っても時給が普通の事務と比べてかなり高いことです。
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また、「どのような経験を積めるか」も大切です。
せっかく期間を区切って派遣をやるなら、経理に特化した実務経験を積める環境に入るのにはこだわってください(普通の事務仕事の経験を積んでもあまり意味がありません)
一般的な派遣事務職よりも経理事務のほうが経理に特化した経験を積めます。
また、紹介予定派遣(派遣として6ヶ月→正社員登用)の案件を探すのもおすすめです。
一定期間働けば有給休暇が取得でき、内容は登録する派遣会社によって異なるものの、資格補助などの福利厚生がある会社もあります。
未経験の30代男性であれば、派遣で実務経験を積み、そのうえで企業経理への転職を目指す方法が現実的でしょう。
派遣には抵抗がある…という方のための選択肢
派遣にはどうしても抵抗がある…という方は、会計事務所(税理士の事務所)も選択肢に入れましょう。
ただ、30代になると会計事務所への転職はやや厳しくなってきます。
会計事務所の場合は年齢が高くなると、実務経験と必要資格などの条件も求められるようになってくるためです。
一般企業の経理とは違って、会計事務所では税務の知識も必要になるため、税理士試験の税法科目合格が条件になる求人も多いですね。
会計事務所に未経験に入ることは、未経験で一般企業経理の正社員を狙うよりはまだ可能性はあると思います。
ただし、未経験から実務経験を積むなら会計事務所よりも経理事務派遣のほうが近道になるとは思います(もちろん、状況的に正社員じゃないときびしい、と言う方は会計事務所を選択肢に入れてみても問題ありません)
簿記1級取得も同時進行で進めましょう
派遣の経理事務あるいは会計事務所で実務経験を積みながら、簿記1級の取得も同時進行で進めましょう。
1級はかなり難易度の高い試験ですが、企業経理に求められる内容が多く含まれています。
ある程度の規模の会社や上場企業への転職を目指すなら、取得できるとかなり有利になります。
また、簿記1級の勉強は、実務経験を積むときに仕事への理解を助けてくれます。
正社員への転職を目指す段階で仮に取得できていなくても、勉強中であること自体がアピール材料になるというメリットもありますね。
簿記2級と比べると難易度が高くて大変ですが、取得できれば転職の成功確率も上がりますよ。
未経験から経理事務の仕事への転職。企業が求める人材の特徴とは
未経験から経理事務の仕事への転職で、企業はどんな人材を求めるのでしょうか。
未経験者に求めるのは簿記資格だけではありません。企業が求める人材には特徴があります。
転職活動を始める前に、企業がどんな人材を求めているかを理解しておくことが大切です。
今回は、未経験から経理事務への転職を目指す方向けに、企業が求める人材の特徴について説明させていただきます。
未経験でも企業が求める人材の特徴
経理事務の仕事で、未経験でも入社してほしいと企業が考える人材の特徴とは何でしょうか。
資格以上に企業が重視するポイントがあります。
①将来のビジョンが描けている
未経験でも入社してほしいと企業が考える人材は、入社して何をしたいのか明確で、将来のビジョンが描けています。
もちろん、未経験の経理事務の仕事内容を完全に理解するのは難しいでしょう。
それでも、今の自分にできる範囲で経理事務の仕事や業界、応募企業について徹底的に調べ、入社後の仕事のビジョンを描きます。
それが面接官にも伝わり、企業は長く活躍してくれる人材だと判断するのです。
②コミュニケーション能力がある
経理事務の仕事には、黙々と事務作業をするイメージあるかもしれません。
しかし、実際は周囲の人との協力が不可欠で、コミュニケーション能力が重要な仕事です。
そのため、コミュニケーション能力がないと仕事がうまく進まず、トラブルの原因になります。
経理事務に適性があり、さらにコミュニケーション能力もある人材は少ないので、未経験でも来てほしいと企業は考えるのです。
資格があっても企業が来てほしくない人の特徴
逆に、資格があっても企業が来てほしくない人の特徴も確認しておきましょう。
自分の強みをアピールできない
自分の強みをアピールできない人は、企業に相手にされません。
この「自分の強み」とは、企業側のニーズから見て、欲しいと思われる人材であることです。
つまり、企業が求めているものを察知して、それに合わせて自分をアピールすることが大切なのです。
企業のニーズを考えず、独りよがりな自己アピールにならないようにしましょう。
給与や残業の有無など待遇ばかり気にする
給与や残業の有無など待遇ばかり気にする人も、企業が来てほしくない人の特徴です。
ブラック企業は避けたいという気持ちは理解できますが、面接で待遇ばかり確認するのはよい印象を与えません。
とはいえ、給与や残業は入社前に確認しておきたいことですよね。
その場合は転職エージェントを活用して、内情を事前に把握しておくのがよいでしょう。
まとめ
経理事務の仕事への転職で、企業が未経験者に求めるのは資格だけではありません。
企業が特に重視するのは将来のビジョンが描けていること、コミュニケーション能力があることです。
企業は長く働いて活躍してもらいたいと考えています。
その企業のニーズをつかみ、効果的な自己アピールをして、転職活動を成功させましょう。