私は今の経理職に就くまで、経理未経験のフリーターでした。
フリーターの期間がかなり長くなっていましたから、正社員は厳しいかな…となかばあきらめていた部分がありました。
ですが、結果として現在は某メーカー企業の経理正社員として働いています。
フリーター経験しかない経理未経験者であっても経理の正社員になれる方法はありますので、今回はその方法をご紹介しますね。
この記事の目次
フリーターが経理職へ転職するためのステップアップの一例
フリーターでも、未経験で経理職として正社員就職を実現することは可能です。
特別な方法というわけではなく、具体的には以下のステップを踏むといいです(それはそれほど高いハードルではありません)
派遣で経理未経験でもできる仕事をする
経理の正社員求人は、基本的にすべて経験者採用になります。
そのため、正社員として務めるための転職活動を始める前に、派遣の経理事務で実務経験を3ヶ月〜半年ぐらい積むといいです(その間、収入も確保できます)
私の場合は、まずは派遣社員として経理事務に登録しました。
派遣だと未経験者でも可能な経理職を募集している場合がほとんどです。
派遣の場合にはとりあえず派遣に登録して、実際に働く場所については派遣のコーディネーターが代わりに探してくれるケースが多いですね(最初から具体的な求人に応募することもできますが)
派遣コーディネーターがあらかじめこちらの時給などの条件や、働き始めたい時期などについてヒアリングをしてくれますので、その条件に一番合う求人を紹介してもらうことができます。
面接にもついてきてくれてお給料の金額の交渉などをしてくれますから、心強いですよ。
派遣から正社員へのステップアップ
派遣の経理事務で3ヶ月〜半年ぐらい経験をつめば、転職活動で「経理経験者」として扱ってもらうことができます。
経理は実務経験がとても重要視される職種ですから、正社員としての転職活動をする場合には経験者であることが前提になります。
派遣であっても経理の仕事を経験していれば、未経験の人とはまったく評価が違うというのが実際のところです。
また、派遣求人の中には最初から正社員としての登用が前提なっている「紹介予定派遣」という種類のものもあります。
こちらは6ヶ月程度は試用期間もかねて派遣社員として実際に仕事をして、その期間が終了したら正社員として採用するかどうかを決めるというものですね。
企業側も基本的には正社員登用を前提として募集をかけていますから、正社員になれる可能性は極めて高いです。
何度も転職活動をするのが面倒という方は、最初から紹介予定派遣に限定して求人を探してみると良いでしょう。
派遣の経理事務なら、初歩の経理に特化した経験を積める
派遣の経理事務から始めるメリットは、初歩的な経理事務に特化した経験を積めることです。
正社員として事務の仕事に採用されたとしても、経理の仕事をできるかどうかはまったくわかりません。
派遣の場合には仕事の範囲が最初からしっかり決まっていますから、経理以外の仕事については基本的には別の担当の人がいるんですよ。
また、派遣先の会社の重要な部分を派遣社員が見ることはまずありません。
だから初歩的な経理から仕事を覚えることができるんです(まったくの経理未経験者であっても業務に入っていきやすいと思います)
未経験での派遣の時給はどれくらい?
未経験での派遣の時給の相場は1500円くらいです。
ただし、地域差もあるので、大都市になれば1700円以上といったところも普通にありますね。
※高時給の経理事務派遣はこちら↓で見つかります。
時給1500円で1日8時間、そして20日間働いたとしたら月24万円はありますから、一人で生活するには十分な金額になると思いますよ。
現在フリーターの方で、将来的に経理職の正社員につきたいと考えている方は、未経験者でもできる派遣の経理事務で経験を積んで次の転職へとつながる足がかりを作りましょう。
もちろん、1度でも経験を積めば経験者として次の仕事を紹介してもらえますから、時給も上がりますし経験者として正社員への道もより近くなりますね。
未経験でもアピールできる「人間性」とは
経理未経験で、フリーターの人でも面接で不利な扱いをされないようにするためにはいくつかポイントがあります。
以下では経理未経験、フリーターの方の場合の面接対策について解説させていただきますね。
実務経験がないなら人間性をアピールしよう
経理職は、会社のお金を預かる重要な部門ですから、何よりも「信頼できる人間」と思ってもらうことが重要になります。
会社として信用できないような人材にお金を預けるわけにはいきません。
横領などがあれば、それこそ会社としての信用がなくなってしまいますよね。
こう書くと「自分にできるかな…」と不安になってしまった方もひょっとしたらおられるかもしれませんが、大丈夫です。
「信頼できる人間と思ってもらう」といっても、そんなに高いハードルではありません。
毎日遅刻せずに出社して、与えられた仕事をしっかりとこなせる。
これだけのことができない人は実はたくさんいるんです。
特に、企業側としてはいろんな情報を知っている人がいきなり辞めてしまって会社に来なくなる…という状況を嫌う傾向があります。
経理の仕事というのは基本的にルーティンワークですから、毎日まじめに仕事をできる人であれば問題なく採用されると思いますよ。
未経験でも「採用したい」と思わせるテクニック
未経験でも採用したいと思わせるには、上でも書いたように誠実な人間性をアピールすることが必須です。
清潔感のある服装で面接に挑むことは大前提ですが、今までフリーターとして経験した仕事の中でも、誠実性がアピールできるものがあります。
例えば、お客様からほめていただいたエピソードや、一緒に仕事をしてきた仲間を助けたことなど、アピールできることは多くあります。
こういったエピソードを、応募書類の志望動機や、自己PRなどでできるだけ具体的に書くといいです。
紙面には限りがありますしあまり長い文章になると呼んでもらえないので、いくつもエピソードを描こうとするのではなくて、1つか2つのエピソードを細かく具体的に書くようにするのがいいでしょう。
面接ではそれらのエピソードについて質問が出る可能性がありますから、ウソは書かずに正直に書きましょう。
未経験の経理転職でハローワークの求人情報はチェックするべき?
未経験で経理転職を目指すときには、どこから企業の求人に応募するか?がとても大切です。
経理の求人は大きく分けて次の2つの場所で見つけることができます。
- ①ハローワーク求人
- ②転職サイトの非公開求人
現在、ほとんどの人が転職活動では転職サイトを利用するようになっていますが、ハローワークの求人にもメリットがあります。
自分に合った企業と出会える可能性がありますから、長所と短所を理解した上で上手に活用するようにしましょう。
今回は、未経験から経理への転職を目指す方が、ハローワークの求人を見るときのポイントについて解説させていただきます。
ハローワーク求人のメリット
ハローワーク求人のメリットとしては、次の2つがあります。
- ①地域密着で地元の求人が多い。
- ②経理求人の絶対数が多い
ハローワークには地元の中小企業の求人が多く集まってくるという特徴があります。
そのため、自宅近くで職場を探したいという方や、地域密着型の地元企業で働きたい場合はハローワーク求人はチェックしたほうがよいでしょう。
転勤がない求人や、地元で安定して働ける求人を希望する場合はハローワークを使うメリットは大きいです。
また、ハローワークは経理求人の絶対数が多いのもメリットの一つです。
企業側の立場でいうと、ハローワークには無料で求人情報が出せますから、資金的な余裕があまりない中小企業は「まずはハローワークで求人を出してみよう」といった形で採用活動を始める傾向があるためです。
ハローワーク求人のデメリット
一方で、ハローワーク求人のデメリットとしては次の2つが考えられます。
- ①質の悪い求人も少なくない(中にはブラックな求人も…)
- ②基本的に中小企業の求人しかなく、未経験者には難しい求人が多い
①に関しては、ハローワークには無料で求人情報を出せることが原因として考えられます。
私が最初に経理として採用された求人はハローワーク経由で申し込んだ会社でした(ハローワークの職員さんに「ここなんかどうですか?」とすすめられました)
月給は手取りで17万円、ボーナスはなし…というなかなか厳しい条件でした(当時私は20代後半、ちなみに男です)
当時私は経理の未経験者でしたから、「こんなものなのかな…」としぶしぶ応募して見たのですが、意外なほど採用がスムーズに進んだのでかえって不安になったものです。
私が経験したブラック企業のトラウマ体験
実際に仕事についてみると、未経験であるにもかかわらず研修もなく「これを夕方までに仕上げておいて」という指示がどかっとくるありさまでした。
与えられたデスクには見たこともないような書類がどんどんたまっていき、わけもわからずに「できました…」と提出した書類をみて「なにこれ?ひょっとして仕事なめてんの?」というようなきつい言葉…。
今でも思い出すと冷や汗が出るようなトラウマです。
経理は専門性の高い仕事ですから、経験者にとっては単純な入力作業であっても、未経験者には難しく感じるものです。
研修もなしにいきなり「これやってみて」といわれてできるものではありません。
今から考えると、当時の企業はひんぱんに人が入れ替わっていて「どうせこの人もすぐに辞めていくんだから、教育してもしょうがない。繁忙期に使い捨てにできればOK」という扱いだったようです。
ハローワークにはいろんな求人がまぎれこんできますから、このようなブラックな求人に誤って応募してしまわないように注意しなくてはなりません。
ハローワーク求人は経理未経験者には難しいものが多い
ハローワーク求人は無料で出せるので、資金的にあまり余裕がない中小企業がこぞって求人を出しています。
中には経営が不安定な企業や、経理の研修体制が整っていない企業もあります。
上でも少し説明させていただきましたが、経理の仕事は専門性が高く、未経験者が一から覚えていくのにはある程度時間がかかります。
そのため、もしあなたが経理未経験で、「これから経理のキャリアをスタートさせよう!」という段階の人である場合には入社後にしっかり経験を積める環境の企業を選ばなくてはなりません。
転職活動をしている期間が長くなってくるとあせる気持ちもあると思いますが、なかなか内定が出ないからといって、安易に妥協しないようにすることが大切です。
経理未経験者の方は、こちらの記事で紹介している「経理未経験者がキャリアアップしていくための具体的な2つのルート」についても参考にしてみてください。
転職サイトや転職エージェントを活用するのがおすすめ
以上、ハローワーク求人のメリットとデメリットについて紹介させていただきました。
どうしても地元で働きたい、小規模の会社のほうが合っている場合はハローワークをメインに転職活動するのもありだと思います。
しかし、これから長期目線で「経理の仕事でキャリアアップしていきたい」と考えている人は、ハローワークよりも転職サイトを活用することをおすすめします。
転職サイトの求人は、ハローワーク求人とは違って企業は費用をかけて求人情報を出していますから、優良な企業である可能性が高いです(しっかりとコストをかけて人材を見つけることの重要性を認識している企業である可能性が高いからです)
転職サイトには経理未経験者歓迎の求人も多くありますから、定期的にチェックしておくと良い求人に出会える確率がぐっと高くなりますよ。
また、転職サイトに登録すると、あなたにあった求人を選んでくれる転職エージェントを使えるようになります。
転職エージェントはあなたに代わって企業側と年収交渉をしてくれる他、応募前に職場の雰囲気を教えてくれたり、面接や応募書類対策のポイントを教えてくれたりしますので、活用してみましょう。
(転職エージェントにお金を払っているのは採用側の企業ですから、私たち転職希望者はすべて無料で使えます)