
営業事務と経理の兼任では、請求書を作るところまでか、仕訳や月次の確認まで担当するかを最初に確認しましょう。負担を見るときは、担当範囲に加えて、営業からの急な依頼と経理の締めが重なる場面に注目してください。
今の仕事が負担なら、まず締め作業中の窓口と優先順位を相談する。経理へ仕事を広げたいなら、現在の担当を請求・入金確認・仕訳に分けて整理する。この順番で考えると、現職で変えたいことと、次の求人で選びたいことが見えてきます。
営業事務と経理の業務範囲は、取引の流れで整理する
厚生労働省のjob tag「営業事務」は、受発注や顧客対応に加え、売上・入金の管理も扱っています。「経理事務」は、記帳や帳簿の点検、月次・決算を説明しています。請求や入金に関わる仕事は両職種に含まれるため、肩書だけで兼任の広さを判断しないことが大切です。
兼任求人を読むときは、この流れのどこを自分が担うかを確認してください。次の表は、担当範囲を聞き分けるための整理例です。
| 仕事の流れ | 自分の作業として確認すること | 判断・確認する人 |
|---|---|---|
| 受注・発注・納期調整 | 注文入力、在庫照会、変更連絡の範囲 | 納期や取引条件を決める営業担当 |
| 請求書の作成・送付 | 売上データの確認、請求書発行、訂正 | 金額・締め日・訂正を承認する人 |
| 入金の照合 | 請求額と振込額を照らし合わせる作業 | 差額や未入金があるときの相談先 |
| 仕訳入力 | 取引を会計ソフトへ記録する範囲 | 科目や処理方法を確認する経理担当 |
| 月次・決算補助 | 資料集め、残高確認、集計の担当範囲 | 月次・決算を取りまとめる人 |
たとえば「入金管理」も、一覧を更新する仕事と、請求ごとの入金を照合して差額の理由を調べる仕事では、説明すべき経験が変わります。「経理も担当」とだけ捉えず、自分が処理する作業と、その結果を確認する人を書き出しましょう。
兼任がきつくなるのは、締めと急ぎの依頼が重なるとき
請求書の締め日に受注変更が入る、入金確認の途中で電話対応が続く。こうした重なりがある職場では、作業量だけでなく、何度も中断する状況も整理したい点です。
| 困っている状況 | 最初に相談したい分担 |
|---|---|
| 締め作業中も電話や納期照会が集中する | 締めの時間帯に一次対応を代わる人を決める |
| 営業と経理の両方から至急の依頼が来る | 優先順位を決める上司と連絡先を一本化する |
| 請求訂正の確認が遅れ、作り直しになる | 訂正依頼の期限と承認者を決める |
| 休むと請求・入金確認が止まる | 手順と処理状況を共有し、代理担当を決める |
上司には「忙しい」だけでなく、仕事が衝突する場面を伝えると相談を具体化できます。たとえば「請求の締め日に納期照会が重なり、確認作業が中断しています。締めの時間だけ、電話の一次対応を分担できませんか」という伝え方です。
仕事量が多いときは、期限が決まった作業・その日に入る依頼・確認待ちの作業に分けて上司へ見せましょう。自己管理だけの問題にせず、今の体制で間に合う分担かを一緒に考えるためです。
営業との連携は「訂正内容・期限・判断者」をそろえる
兼任では、営業担当が持つ取引情報を受け取り、自分で請求・入金を処理する場面があります。ここでは、連携を曖昧にしないための整理例を挙げます。
請求書を出した後に金額変更を頼まれたら、まず「どの取引の、何を変えるか」を確認します。営業担当には、取引先と合意した変更内容・対象の請求書・希望する送付日をまとめてもらいましょう。締めた後の訂正や会計処理に迷う変更は、自分だけで決めず、上司や経理責任者へつなぎます。
入金額が請求額と違う場合は、対象の請求書と入金明細をそろえ、営業担当へ取引条件や変更連絡の有無を確認する。原因が分からないものは一覧に残して確認者へ引き継ぐ。このように、相手に確認したい情報と、自分では決められない判断を分けるのが相談の出発点です。
締めの直前に口頭の依頼が来る職場なら、共有する場所と訂正の受付期限を上司に相談してください。ツールを増やす前に、「誰が内容を確定し、誰が修正し、誰が確認するか」を決める案です。
兼任経験を経理への転職につなげる棚卸し
職務経歴書では、肩書に加えて「何を、どのシステムで、どこまで担当したか」を示しましょう。次の記載例は、実際に経験した項目を選んで具体化するためのものです。
| 経験した作業 | 伝える内容の例 | 次に確認する仕事 |
|---|---|---|
| 請求書の発行 | 販売管理システムで請求書を作成し、営業担当の確認後に送付 | 売上の仕訳入力や入金照合にも関われるか |
| 入金の照合 | 請求一覧と振込明細を照合し、差額を担当者へ確認 | 売掛金の残高確認まで担当できるか |
| 仕訳入力 | 会計ソフトへ担当取引を入力し、経理担当が確認 | 科目判断や月次確認をどう教わるか |
| 月次の資料作成 | 担当科目の集計資料を作り、上司へ提出 | 集計後の残高確認や決算補助を学べるか |
処理件数や担当期間は、手元の記録で確認できる範囲を記載します。上司や税理士が判断した仕事は、自分が担当した入力・資料作成と分けて説明してください。
経理へ仕事を広げたいなら、営業対応の経験に加えて、次に覚えたい会計処理を一つ挙げると応募先を比べやすくなります。請求書発行だけなら「会計ソフトへの入力を教わりたい」、入力まで担当しているなら「残高確認にも関わりたい」というように、希望する範囲を示しましょう。
兼任求人は、業務範囲・確認者・教育をそろえて比べる
求人名だけで仕事内容を判断せず、募集要項に書かれた作業を見ましょう。たとえばマネーフォワードの営業事務募集では、経理部所属の業務として請求書発行や入金の消し込み、契約事務などが示されています。所属部署と実際の担当を組み合わせて読むと、仕事の輪郭をつかめます。
応募先には、次の質問を使って確認してみてください。
| 比べる項目 | 面接で聞くこと |
|---|---|
| 経理の担当範囲 | 請求・入金・仕訳・月次のうち、入社後に担当するのはどこですか |
| 分担と締め | 締め作業中の顧客対応は誰が担当しますか |
| 確認体制 | 科目や処理方法に迷ったとき、誰に確認できますか |
| 教育と引継ぎ | 最初の担当業務と、引継ぎ・確認の方法を教えてください |
| 休暇と繁忙 | 休暇中の代理担当と、忙しい時期の対応体制を教えてください |
兼任を前向きに選ぶなら、取引の流れを学べる担当範囲と、教わる相手がそろった求人を候補にしましょう。 たとえば、請求発行から入金照合へ仕事を広げ、経理担当に確認してもらえるなら、次に積みたい経験と結びつけて検討できます。経理の経験を深めたいのに電話対応だけで一日が終わる職場なら、担当時間の配分も見直したい点です。
給与は、担当範囲に加え、勤務時間・残業・雇用形態・手当をそろえて比較します。担当業務の広さに対して納得できる条件か、応募先の募集要項で確かめてください。
兼任経験と希望する業務範囲を整理できたら、経理向け転職サービスの選び方で相談先ごとの特徴を比べられます。
残る・準備する・求人を比べる、次の行動を決めよう
| 今の希望や状況 | まず進めたいこと |
|---|---|
| 仕事自体は続けたいが、割り込みが負担 | 締め時間の窓口と優先順位の決定者を相談する |
| 営業事務から経理へ仕事を広げたい | 担当作業を棚卸しし、次に学びたい処理を決める |
| 分担を相談しても変わらず、他の職場も知りたい | 確認者・教育・担当範囲が明確な求人と比較する |
総務も含む兼任との違いや経験の整理も気になる方は、経理と総務を兼任するときの担当範囲・経験整理も参考にしてください。現職の分担を整える場合も、応募先を探す場合も、出発点は「自分が今どこまで担当しているか」を言葉にすることです。
別の職場を検討したい人は、経理求人の担当範囲と兼任の有無を見比べてみてください。